11月中旬にしてはポカポカな小春日和の週末、富山市の総曲輪にある映画館・ほとり座へ。石川県が舞台の石川テレビ製作ドキュメンタリー映画『裸のムラ』の鑑賞です。
ほとり座での上映初日ということで、監督の五百旗頭幸男さんの舞台挨拶もありました。
個人的な感想、映画を観ながら考えたことをつらつらと
- 前半はただただ「ぽかーん」としてばかり。ストーリーらしきストーリーがあるようなないような。
- 石川県政、ムスリム、自由な生き方を選ぶ人…それぞれの話は興味深く惹きつけられるものの各々バラバラで進むように見え、3つの話のつながりがなかなか見えてこない。
- 「思ったよりも長く感じられるな…」とストーリー展開の不明瞭さに飽き始めたタイミングで、唐突に石川県知事選の歴史を過去のニュース映像で遡り出し…その辺りから私は再びスクリーンから目が離せなくなり、いつの間にかエンドロール。気が付けばあっという間。
- それでも鑑賞後の感想は「なんか分かったような分からなかったような…」とモヤモヤしてくるもので。
- この映画はまるで…様々な意見を自由に提供して、結論をまとめることなくモヤモヤしたまま考え続けることを目的とする対話手法…そう、ワールドカフェのようだな、と。
- 私が最もユニークに思えたのはバンライファーの2つの家族。自由を得るために会社を辞めたのに、より不自由になったかのようにも見える描かれ方が「本当の自由って、何なんだろう?」と見ながら考えてしまったり。
- 好きでもない日記を父親のために毎日書く女の子がいつも1人で遊んでるように見えて「もしかして友達が作れない不自由な生活なのかな?」と心配になってしまったり。(友達と遊ぶシーンを撮ってないだけらしいです)
- あと、思ったよりも「空気」「ムラ社会」はライトに描かれてたような。もっとドロドロな「言いたくても言えない重苦しい空気のムラ社会」を描くものかと想像してたので。「空気を描いた映画」とはいえ、現実社会で空気に苦しめられ職場を去った経験がある私にとっては、なんだかマイルドに感じられてしまったような…
監督舞台挨拶を聴いて
- 舞台挨拶での監督のお話は映画本編以上に共感してばかりで…ひたすら頷いてました。特に“メディアは正義になって世の中を変えるものではない”といったお話には深く同感。
“正義のヒーロー”みたいな報道や、SNSでのバズりを狙う姿勢のニュース見出しにウンザリすることが夏頃から増えてきたので… - 監督本人による映画解説を聴くと、またもう一度見返したくなります。次はいつ観ようかな…?と鑑賞直後から次の予定を考え始めてしまってます。
前作の『はりぼて』も金沢と富山で繰り返して観たことで見えてきた世界もあったので…次に観るときは富山以外の場所になるかもしれません??
サイン会に並びながら、富山で『はりぼて』を観た2年前を思い出してました。2年前と同じようにパンフ購入してサイン会に並ぶ私。
この日、チューリップテレビが取材に来ていると舞台挨拶中にアナウンスがあり、驚きつつも当然のことのようでもあって。
映画製作の石川テレビはフジ系列なので、TBS系列のチューリップテレビは取材しないのでは?と私は予想していたので…
『はりぼて』での不可解な退職を表現したラストシーンに、舞台挨拶中にもあった監督の石川テレビへ移籍する経緯のお話から考えても…私の感覚では理解することがむずかしいです。
ある意味、この日の劇場も独特な「空気」に包まれてるかのように私には思えたのでした。
↓2年前の『はりぼて』での舞台挨拶(撮影OKだった)とパンフ
- ほとり座での映画は振り返れば1年ぶり。1年前の日記はこちら↓
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