とやまおでかけ日記

富山県内を観光客のフリしてあちこち遊びに行って「とやまおでかけ日記」というブログ書いてます。

雪降る利賀で再び観る「世界の果てからこんにちはII」 〜SCOT Winter Season 2020

2020年のSCOTは夏だけではなく冬もある!SCOT倶楽部から届いた案内でテンションが上がった私。

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その名も「SCOTウインター・シーズン2020」
夏に観た「世界の果てからこんにちはII」と10月に黒部で公演された「ニッポンジン」の豪華二本立て。

↓今夏「SCOT Summer Season 2020」の日記はこちら

早とちりな私は「冬の利賀で花火劇が観れる?!」と一瞬勘違いしましたが、会場が屋内のため花火はさすがにないようです。

とはいえ利賀の冬は雪に埋もれてて凄いはず…と期待して、前回同様、富山駅からの連絡バスで利賀へ。バス3台も待機してて、利用者の多さに驚く私。新幹線改札口から直行の人も多そう。f:id:ai110-12368:20201227163031j:imageバスは前回同様、北陸自動車道から東海北陸自動車道、福光インターチェンジから下道に入り、五箇山を通ります。f:id:ai110-12368:20201227163059j:image車窓の雪景色だけでも、圧巻。
f:id:ai110-12368:20201227163045j:image会場の利賀芸術公園 利賀大山房の近くにある利賀国際キャンプ場辺りに到着。予想通り雪すごい。夏の風景が思い出せないほど雪に埋もれてます。f:id:ai110-12368:20201227163143j:image今回は「ごっつお広場」で受付。
f:id:ai110-12368:20201227163133j:image館内は暖房がしっかり効いててポカポカ暖かい。利賀そばなどの食事や、道の駅福光からのお土産販売もあり賑やか。
f:id:ai110-12368:20201227163540j:image今年に続き来年2月の利賀そば祭りの中止が決まったこともあって利賀そば食べたかったのですが、集合時刻まで時間にあまり余裕がない…利賀そばはまた次の機会のお楽しみということにしました。

今回もいつものお気に入り名物パンをまとめ買い。食事時間もゆっくり取れなかったのでパンを2つほど口に詰め込みます。
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↓羽馬パン含む、ご当地パンまつり日記はこちら

受付時に配布された案内文。前日の北日本新聞に掲載された主宰の鈴木忠志さんの特集記事によると、冬の利賀での公演は24年ぶりとのこと。f:id:ai110-12368:20201227163341j:image

ごっつお館の中で整列し、順番に会場の利賀大山房へ向かいます。f:id:ai110-12368:20201227163615j:image
新型コロナ流行第3波の勢いが止まらない中とはいえ、雪に不慣れそうな都会からの観客も多く並んでました。(都会から来る人は冬でも革靴やスニーカーの人が多いので一目で分かる。冬の富山でスニーカーは寒いし、滑って危険ですよ…)f:id:ai110-12368:20201227163418j:image
百瀬川を渡って徒歩移動。徒歩でも数分の近い距離ですが、雪も降っててかなり寒い。どこもかも白だけの世界。
f:id:ai110-12368:20201227163157j:image会場の利賀大山房に到着。
f:id:ai110-12368:20201227163430j:image元々体育館だった名残として「南砺市利賀中村体育館」の名前が残ってます。
f:id:ai110-12368:20201227163216j:imageそのまま席について、2本連続2時間ノンストップで公演開始。
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観劇の感想

前半「ニッポンジン」は、先日のNHK富山で放送された特集番組であらすじを知ってしまったため、初見でもおおよそのストーリーは理解できました。左側にずっと佇んでいた赤い着物の女性は何を表しているのだろう??とずっと考えてましたが、最後まで分からずじまい。

後半「世界の果てからこんにちはII」は夏にも観てましたが、前回と異なり屋内公演ということで、声が分散せず観客も終始物静かで台詞が聞き取りやすかったこともあり、前回よりも物語に集中できたような。もちろんスマホ撮影してる人もいなかったし。(夏は野外だからかスマホ撮影してる人が多数で驚いた)

で、花火がないと同じ内容でも観劇後のイメージがだいぶ変わるなぁ、と。夏は花火の華やかさが舞台に開放感を与えていたのに対して、冬は時折聞こえる屋根雪の落ちる音が舞台をしっとりと落ち着かせていたように思えました。

とはいえ、私のような観劇の素人が内容理解するにはハードルが高い演劇だなぁ…と感じたことには変わりませんが…分からないなりにも繰り返して観に行けば、その奥深さも解るようになるかもしれません??

幕間の舞台転換も雰囲気を壊さないように役者が演技するようにセッティングしてたのが印象深かったです。f:id:ai110-12368:20201227163310j:image

バス移動時間往復4時間。観劇時間2時間。富山駅からのバス移動だけでも移動時間の方が公演時間よりも長い。ましてや東京からなら移動時間はその倍以上の時間になるし、もっと時間をかけて利賀まで来てる人もいたのかもしれません。

富山に住む私から見たら、わざわざ富山の山奥まで来なくても東京では数え切れないほどの演劇が楽しめるのに…とも思います。(観劇のために定期的に東京に通ってるという話は身近でよく聞くので)

でも、利賀まで来る人はそうじゃない。東京で観れないものだから、来る。利賀でしか観れないから、味わえないから来る。たとえ同じ内容でも演じる場所が変われば、また異なる面白さがあるのでしょう。

富山の人でもSCOTを知らない人はまだまだ多いと思いますが、それはそれで良いのかもしれません。(惜しいことだとは思いますが)誰もが知らないからこそ、興味を持つ人だけが知り得る場所。そんな空間だからこそ、どんなに雪深い山奥だとしても本当に好きな人だけが集まり続けるのかな、と思うのです。

演出家 鈴木忠志 その思想と作品

演出家 鈴木忠志 その思想と作品

  • 作者:保, 渡辺
  • 発売日: 2019/07/26
  • メディア: 単行本